【スクー】は無料学習を効率的に使う
期待されているベンチャー企業
日本で二億円の資金調達に成功したベンチャー企業、スクー。その事業内容は、ネットでビジネス的な学習内容の動画を提供するという大規模オンライン講義、MOOCsのビジネスモデルです。
多くの学習系サイトが乱立する中、目立って利用者獲得に成功している要因は、なんといっても「生授業」にこだわった運営手法でしょう。
しかしその一方、したたかな収益化、将来を見据えたビジネス戦略、そして地道な会員増加も見逃せません。
多くのECサイトが会員登録者の獲得、顧客の囲い込みに苦戦しています。そのなかで、いったいどうやってスクーは会員登録者数を集め、認知を上げているのでしょうか?
スクーのシステム
基本的にはスクーの生授業は無料です。内容が濃い授業が無料で受ける事が出来るのであれば、多くのSNSででシェアされるのは間違いないでしょう。
スクーの授業を受けるときは、「着席しました!」という投稿がFacebookやTwitterで簡単に投稿出来るようにプログラミングされています。
これにより、スクーは広告費を使わなくてもサイトの拡散が出来ます。これは見事なまでに、現代にあったビジネスモデルを構築しているといえるでしょう。
しかし、全て無料で何時でも授業を受けれるのではボランティアになってしまいます。しかし、ここでスクーは良い所に目をつけました、
スクーの収益化・囲い込み
実はスクーでは過去に行なわれた授業を受ける事ができるのです。会員登録すれば、誰でも授業の動画を見る事が誰でもできるのです。
しかし、会員登録して無料で受領を受ける事が出来るのは月に1回だけ。2回以上受けたかったら月525円の有料会員にならなくてはいけません。
月525円といっても有料会員が1万人を超えれば、年商6,300万円です。ちなみに、若干分野は違いますがニコニコ動画は有料会員が200万人を突破したと言っています。どれだけ伸びシロがあるビジネスか、ご理解頂けると思います。
会社には小さなスタジオが1つだけ。仕入れはありませんし、講師にもそれほど高い講師料は支払っていないようです。講師は現役のビジネスマンですから、自社の宣伝を兼ねて情報を発信してくれるのです。
もし授業を受ける人数が違っていても、基本的に固定費はそれほど変わりませんので、受講者が多ければ多いほど利益になります。なかなか素晴らしいビジネスモデルですね。
典型的なフリービジネス
このように、無料で良い内容の授業を多くの人に提供し、その中の数パーセントの人に有料会員になってもらって収益を得る。このビジネスモデルはフリービジネスと言いますが、ベンチャー企業がここまで見事に成功している例は少ないでしょう。
今後は、「放送番組内に広告を入れる」「スクーのシステムを貸し出す」などのビジネス展開が考えられますし、大学の講義を放送する等の社会的な役割も出てきています。
ますます目が離せないスクー。企業アイディアを探している人は是非参考にしたいですね。
- 作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2009/11/21
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