アイディア・キュレーションサイト ideac

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コラム(1)アイディアとは?

私は「アイディアを集めたサイトをつくろう」と閃いてから、アイディアを探しながら毎日を送っています。しかし、サイトを作る以前と違い、サイトに載せることができるアイディアは、探せば探すほど見つかりません。これは本当に意外でした。

 

一見、私たちの身の回りには創造性溢れる商品や、昔の人が培ってきた伝統的な工夫、そしてどうやって作ったのか考えつかないような素材が溢れています。でも、その1つ1つを詳しく調べていくと、実は革新的な商品や製品、素材を作るのはアイディアではなくて、セレンディピティではないか?という疑問が湧いてきました。

 

セレンディピティserendipity)とは、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見する「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけにひらめきを得、幸運をつかみ取る能力のことである。

(参照)セレンディピティ - Wikipedia

 

私たちが一見アイディアと勘違いしやすい例は、以下のようなものです。

・牛乳を発酵させてつくったチーズ

・麦からつくったビール

 

それに対してアイディアは以下のような商品です。

・エンジンを積んで空を飛んだ飛行機

 

そしてその中間もあります。

・電子レンジ

 

詳しく見ていきましょう。

 

 

牛乳から出来ているチーズは、乳製品の固形物をつくるために、誰かが試行錯誤して作り出した訳ではありません。

おそらくチーズづくりの歴史とは、反芻動物の胃でできた入れ物に留め置いた乳がどうなったかを偶然に発見したことに始まる。

(参照)チーズの歴史 - Wikipedia

 

ビールも同じです。

「液体のパン」とも呼ばれるビールの歴史は古く、紀元前4000年以上前までさかのぼります。メソポタミアで人類が農耕生活をはじめた頃、放置してあった麦の粥に酵母が入り込み、自然に発酵したのが起源とされています

(参照)ビールの歴史を教えてください。 お客様センター サントリー

 

このように以上の2つの食品は、保存に失敗して状態が変化したにもかかわらず、食べてみたところ美味しく、健康にも害が無いことがわかったので、食文化に取り入れていったという歴史があります。

  

しかし、これらはあくまでも偶然の産物(セレンディピティです。セレンディピティは何処でどのタイミングで起きるのかわからないので、計画的に実行することは難しいです。しかし、特許をとるなどの権利者が確定しやすいので、セレンディピティはよりビジネスのゴールに近い立ち位置にあり、マネタイズしやすいといえるかもしません。

  

それに対して(私が考える)アイディアとは、あくまでも人間が能動的に閃いたもの、頭を絞って考えるモノです。運命的な偶然を待つのではなく、能動的に世界を変えていく着想がアイディアです。

 

ちなみに辞書でアイディアと引くと、以下のように書いてあります。

1 思いつき。新奇な工夫。着想。「―が浮かぶ」

イデア。観念。理念。

(参照)アイデア【idea】の意味 - 国語辞書 - goo辞書

 

そして、そのアイディアが製品化されたり特許に出されると発明と呼ばれます。

つまり、アイディアだけでは意味が無いのです。

 

以上を考えると、飛行機はアイディアだといえるでしょう。

「グライダーにエンジンを積んで空を飛ぶ」というアイディアは、多くの人が着想したと思います。ただ、結果的にその実験に成功したのはライト兄弟だったので、発明者で権利者はライト兄弟だと歴史的に記録されています。(ライト兄弟は特許を提出していた)

 

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 ただ、残念ながら今の私が飛行機を見て、アイディア商品だと気がつきませんでした。私の中で飛行機は、生まれた時から既に存在していたものだったからです。

 

これ以上深く考えると迷走してしまいそうですが、アイディアというのは、時間軸との関わりも避けることができないのかもしれません。

 

 

次に頭を切り替え、電子レンジについて考えてみましょう。

この商品に関しては、セレンディピティとアイディアの共同作業といえるでしょう。

 

発明者はアメリカ合衆国レイセオン社で働いていたレーダー設置担当の技師パーシー・スペンサーで、偶然ポケットの中のチョコバーが溶けていたことから、この現象を調理に使う着想につながった。最初に電子レンジで調理した食物は、慎重に選ばれた結果、ポップコーンであった。2番目は鶏卵だったが、これは卵の爆発により失敗した。 

(参照)電子レンジ - Wikipedia

 

偶然を発見」⇒「製品化のアイディア」⇒「特許を所得して製品化」は、一般的には起業の大道といえるかもしれません。アイディアを持って起業した人を分析すると、こういった運命的な出会いをした人も多く見受けられます。

 

どうでしょう?

長くなりましたが、アイディアというものの位置づけを、少しご理解いただけたでしょうか?意外とアイディアという概念自体、深く考えると難しいモノでしたね。

 

経済や文化の発展にアイディアは絶対に必要ですが、アイディアだけでも意味がない。だからといって偶然を期待するのは確率が悪すぎます。

 

どうでしょう?

今の日本に足りない部分が見えてきたと思いませんか?