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【古本を1円で販売するアイディア】

Amazonで売っている本の正体

 

Amazonで本を購入しようとしたら、ふとAmazon内の「マーケットプレイス」という場所で古本が売っていることに気がつきました。しかもよく見ると本の価格は1円です。

 

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(参照)一円硬貨 - Wikipedia

 

そもそも、Amazonマーケットプレイスとは何でしょう?

Amazonマーケットプレイスとは、第三者である出品者と購入者が売買するためにアマゾンが提供する場所である。 Amazonが販売する商品が在庫切れでも、出品者がマーケットプレイスに出品している場合もある。ただし、出品者がほぼ自由に価格を設定できるため、いわゆる転売屋も出品している。

(参照)Amazon.co.jp - Wikipedia

 

要は、Amazonのサイト(サイト管理者)では、Amazon(販売者)の他に、一般の企業や個人もサイトを利用して本などの商品売買が可能なんですね。

 

1円で売っている本の正体

 

しかし、いったいどうして1円で本を販売しているのでしょう?1円販売で利益が出るのでしょうか?今日はこの細かい商売のアイディアを3つの視点で分析してみたいと思います。

 

1、購入者サイドの視点

Amazonで1円の本を購入すると、実は250円の送料がかかります。だから、実質的には251円で本を購入することになるのです。

 

配送時間は業者によって違いますが、早いと翌日。遅くても1週間以内に本が届きます。※Amazonプライム(有料)に登録すると、Amazonの倉庫内にある商品は翌日届きます。

 

1,500円ほどで売っている新刊本を、古本とはいえ1円と送料250円で購入できたら・・・もう新刊本屋で本を買うことはできませんね。リアルの古本屋で本を探す手間と比べてもネットだと効率的です。

 

この「格安」と「お手軽」の両方が手に入るので、消費者としてはお得です。

 

 

2、Amazonの視点

このマーケットプレイスというサイト、もちろんAmazonは無料で貸し出している訳ではありません。売買が成立した時に、手数料を2つ徴収しているのです。しかも、Amazonはクレジットカードを抑えておりますので、取りっぱぐれがありません。

 

Amazonの収入

・書籍の手数料・・・価格の15%(出品者から徴収)

・書籍のカテゴリー成約料・・・60円(出品者から徴収)

(参照)Amazon.co.jp ヘルプ: 出品手数料と価格設定

 

つまり、本来1,000円の古本をマーケットプレイスで誰かが購入したら、Amazonは150円の手数料と60円のカテゴリー成約料を貰うことができるのです。

 

Amazonでは毎日とてつもない数の商品がマーケットプレイスで売買いされているので、その総額はとても大きな金額になるでしょうね・・・

 

3、出品者の立場

最後にカギとなる出品者の立場です。まず商品の仕入れ価格ですが、1円販売している本の買取価格は10円前後です。そして配送に使う封筒は1枚6円前後です。なんとこの時点で15円の赤字です。

 

次に送料です。購入者は250円の配送料をAmazonに支払っていますが、実は出品者が配送業者に支払う実際の送料は80円か160円なのです。(保証の無いメール便

 

もし送料80円で商品を発送することができれば、250円−80円=170円となり、出品業者としては、赤字で本を販売しても、送料から利益を170円残す事ができるのです。そしてここからAmazonカテゴリー成約料の60円を引いて、170円−60円=110円

 

配送料からの利益110円と本の代金、両方を合わせると95円の利益となります。

 

しかし、最後にここから家賃や人件費、光熱費などの固定・変動費用が引かれます。

 

田舎などの家賃が安い場所に工場(倉庫)を造り、安い人件費で人を雇う事ができ、もし商品1個あたりの費用を70円ほどに抑えることが出来たら、95円の利益ー70円=25円となり、1円で商品を売っても25円の利益が残るということになります。

 

これがAmazon1円販売の正体です。

 

 

結論

 

1日に1円の本を1,000冊販売することができれば、出品者は25,000円の純利益です。普通の出品では利益がでませんが、大きな組織で上手にやれば利益がでます。そしてこの他に普通の価格帯での古本販売も併用できれば、更に大きな利益となるでしょう。

 

規模を変えるとビジネス・チャンスは見えてきます。個人が目をつけないところにビジネス・アイディアはあるので、色々な視点で考える事が重要ですね。