日本の看護師不足を解消するアイディア【週3日制】
現在、日本では看護師不足という深刻な問題がおきています。毎年4~5万人の看護師が誕生しているのにも関わらず、なぜ看護師が不足しているのでしょうか?そしてこの看護師不足を解消するアイディアは無いのでしょうか?
問題:看護師の離職率の高さ
実は日本で看護師が不足している原因は、仕事を辞めてしまう看護師が多いからです。
2010年の常勤看護師の離職率は11.2%。新卒の看護師も8.6%にのぼる。 長時間労働や不規則な勤務形態、危険、汚いといった過酷な労働環境が看護師としての定着を阻み、慢性的な人員不足が更に労働環境を悪化させるといった負のスパイラルが起きているのである。また、出産や育児を行う間はどうしても職場を離れなければならないという女性比率の高さ故の問題点もある。
さらに、看護師の仕事は9Kと言われています。
今までの「汚い」「危険」「きつい」に加え、「休暇が取れない」「薬が手放せない」「給料が安い」「婚期を逃すor遅れる」「規則が厳しい」「化粧乗りが悪い」の6項目が新たに加えられました。
具体像:看護師の生活サイクルは?
では、看護師の生活サイクルを見てみましょう。
病棟勤務2交代夜勤の場合の、例えばの一週間。
月:日勤(8:30~17、でも朝は7:30くらいに出勤して情報収集や点滴詰めなど準備をする、そして17時ピン帰りはあり得ない)
火:日勤
水:夜勤入り(16~翌9時、3時半には準備の為病棟入り)
木:夜勤明け(9時ピンで上げれることはないけど、10時には終わってる、その後はオフ。でも夜寝てないから帰って寝たい)
金:休み
土:休み
日:日勤
以上のように、
A、通常勤務が3日。
B、2日分一気に働く16時間連続勤務の夜勤。
このABの2つがセットになっているのが、2交代制の基本のシフトです。
夜勤を経験したことが無い人にはわからないかもしれませんが、夜勤はとても体力を消耗します。通常の週休2日のサラリーマンとは全く違います。そして命を預かる患者さんに気を使いながらの夜勤は、とても大変である事は間違いないでしょう。
更に具体的な問題点
「きつく辛い仕事」である事は間違いない看護師の仕事ですが、それ以上にやりがいを感じている看護師さんたちもいらっしゃいます。では、何故看護師さんたちはやりがいがある仕事を辞めてしまうのでしょうか?
問27-1 仕事を辞めたいと思う主な理由は 「いつも思う」、「ときどき思う」を合わせると 80%であり、深 刻な労働実態を表れている。
看護師を辞めたい理由(3つを選択)
1 、人員不足で仕事がきつい
2 、賃金が安い
3 、休みが取れない
看護師が少ないので仕事が大変になり、仕事が大変になるから看護師を辞める人が増えるという悪循環に至っています。これでは自分のスキルアップを目指して勉強をする時間もありません。残業や毎日の勤務前の準備も相当な時間になるようです。
残業に関しては資料によれば40%以上の看護師が10時間〜60時間の残業を行ない、なおかつサービス残業になっている点が見逃せません。
85%の職員がサービス残業があると答えているのは大きな問題である。
以上の事から、この大変な労働環境が、比較的良いと言われている看護師の給与を、体感的に「割に合わない」と感じさせているようです。
看護の仕事をしたくても、もう体力的に出来ないと感じている人も多いのです。
解決するアイディア
この行き詰まった日本の看護師不足を解消するアイディアはいくつかあります。最近話題になったのはインドネシア人やフィリピン人の看護師を招聘するという方法でしょう。
新興国の看護師さんを日本に呼ぶ
実はインドネシアやフィリピン人看護師のレベル・ホスピタリティは非常に高かったのですが、看護の問題ではなく移民としての障壁が高く、結果的に看護師不足の解決策には繋がりませんでした。
タンブンさんが直面している最大の障害は、7時間に及ぶ240問の日本語による試験だ。過去5年間でインドネシアとフィリピンから派遣された看護師741人のうち合格者はわずか96人。タンブンさんは2011年に来日したが、過去に2度その試験に落ちており、2月の3度目の受験で合格しなければ国に帰らなければならない。
看護師の週休3日制
これに対し、とある現場の看護師さんから上がってきたアイディアが、看護師の週休3日制案です。
日本には看護師資格を持っていても、就職していない看護師さんが沢山います。
こういった就労していない看護師さんを、労働環境を整え、現場へ呼び戻そうというアイディアです。
海外の移民・労働者に頼る前に、日本の眠れる人材を掘り起こす事に目を向けたのです。
週2日の通常業務と1回の16時間夜勤で計4日分の就労。そして3日の休暇。これでかなり看護師さんの生活は楽になります。小さなお子さんを持っている看護師さんも、この週休3日であれば働きに出れるかもしれません。
ブラック企業に勤めるサラリーマンからすると「何を甘い事を!」という声があるかもしれません。でも、人の命を預かる仕事をしている看護師さん。その緊張感は時間を無駄に長く働いているだけのサラリーマンにはわからないかもしれませんね。
最後に他の課題
実は子育ての問題も出てきているのです。
院内託児所で預かってくれるのは未就学児まで。つまり、小学生の子どもは預かってくれないんです。「託児所」ですから、小学生の子どもを預かってくれないのは仕方のないことかもしれません。でも、小学生になったからといって、夜間1人で家に置いておくわけにはいかないですよね。
この様に、幼稚園児のうちは深夜に預かってくれる託児所があるのですが、子供が小学生になったら深夜に預かってくれる場所が無いのです。この問題も、看護師さんが職をはなれる大きな理由の1つです。
このような問題に真摯に取り組んで、できるだけ早く、看護の現場が普通に働ける職場になると良いですね。
アイディアの力でなんとかしたいと、このサイト管理人は考えています。