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【ホワイトプラン】は利用者の平準化を狙ったアイディア

日本を代表するベンチャー企業、ソフトバンク

 

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(参照)孫正義氏「これまでのヤフーは間違っていた」、EC手数料「無料化」の意図説明 -INTERNET Watch

 

現在、日本のスマートフォン市場で圧倒的シェアを誇る、孫社長率いるソフトバンク

 

利益額も1兆円を超え、日本をリードする世界企業として飛ぶ鳥を落とす勢いです。

孫正義社長は「営業益の1兆円超えは日本ではNTT、トヨタ自動車ソフトバンクの3社だけ。ソフトバンクは33年と、最も短い期間で達成した」と胸を張った。

(参照)ソフトバンク、営業益1兆円超に 純利益ドコモ抜く - ITmedia ニュース

 

しかしこのソフトバンク、携帯電話業界に参戦した時はかなり苦戦を強いられていたのを御存じでしょうか?

 

苦戦を強いられた携帯電話黎明期


ボーダフォンを買収した時は「ボーダフォンの顧客を、そっくりそのままNTTに奪われてしまう」と考えられていましたし、日本でiPhoneの独占販売を決めた時は「日本でスマホは流行らない」と、いつも批判的に受け止められてきました。

 

しかし、そのような否定的な空気や多くの障壁を乗り越えてソフトバンクは携帯電話からスマートフォンに市場が移動する中、大躍進を果たしました。

 

ソフトバンクが他の携帯電話会社の顧客を奪っていく武器になったのは、格安料金の先駆けとなった「ホワイトプラン」ではないでしょうか?

 

今日はその斬新なアイディアを検証したいと思います。

 

ホワイトプラントはどんなアイディアだったのか?

 

まず、ホワイトプランというのはどんな料金設定だったのでしょうか?

 

1、ソフトバンク同士の携帯だと、1時から21時までは通話料が無料

2、家族間の通話は無料

3、ソフトバンク同士のメール送受信は終日無料

4、基本料は934円(税別)

5、ソフトバンク以外の携帯への電話は30秒20円(税別)

音声通話が無料となる音声通話定額プラン。ただし時間帯制限があり、通話料が無料になるのは1時から21時までの国内通話に限られる(家族間通話は終日無料)。通話トラフィックの集中する21時~翌1時と、ソフトバンク携帯電話以外への通話は30秒20円(税別)で課金される。基本使用料は934円(税別)。ソフトバンク同士のメール送受信は終日無料(2Gはスカイメールのみ)、他社からのメールは全角50文字相当まで無料、それ以上でも全文受信しない限り受信無料である。

(参照)ホワイトプラン - Wikipedia

 

つまり、ソフトバンク同士の携帯で電話をすると断然お得になるのです。このサービス目当てに家族やカップル、そして友達同士でソフトバンクに加入する人が増えました。

 

しかし・・・当然ながら、無料にしては企業は儲かりません。一体何故こんなプランを導入したのでしょうか?

 

実はこのホワイトプラン、電波利用の平準化を狙ったものでした。

 

 

実はアイディア戦略だったホワイトプラン

 

当時、ソフトバンクの電波は繋がりにくいと言われていましたので、アンテナを増やす必要がありました。その為には多額のお金と時間が必要でした。

 

しかしその一方、繋がりにくい時間帯はいつも決まっていたのです。その時間帯だけアンテナを増やす事ができたら・・・きっとつながりやすくなるでしょうが、そんな夢のような事は出来ません。

 

利用者が集中するピーク時だけのために沢山のアンテナをたてるのは・・・本当に大変ですね。当時のソフトバンクにとって、多額の投資をするのは大きな負担でした。

 

そこで、ピーク時の利用を減らして、利用者が少ない時間帯に電波を使ってもらおうというアイディアを考えたのです。

 

それが、1時から21時まで、ソフトバンク同士の通話無料です。これにより、多くの利用者が21時(夜の9時)前までに電話をするようになりました。そして、ピーク時の利用者数は減りました。

 

このアイディアによって繋がりにくさが解消されました。

そして、ソフトバンクの契約者数も増えました。

 

利用者がどの時間でも一定になれば、投資効率は向上します。このアイディアに関して、孫正義社長は「私は経済学部出身だよ。これが価格を使ったピークコントロールだ。」と自慢げに語ったと言われています。

 

利用者が少ない時間帯を無料で貸し出す事によって利用者をコントロールし、更に多くの利用者を呼び寄せたこのアイディア。

 

画期的だと思いませんか?

 

 

孫正義の参謀: ソフトバンク社長室長3000日

孫正義の参謀: ソフトバンク社長室長3000日